「カイゼン」「ムダ」「かんばん」――これらはトヨタ生産方式(TPS)から生まれた言葉で、いまや世界中の製造業で使われる共通語です。しかし、転職活動や業務の中で「号口って何?」「面着ってどういう意味?」と戸惑った経験はありませんか?
この記事では、トヨタ用語の一覧を体系的に整理し、現場で使われる専門用語をわかりやすく解説します。思想・行動原理から始まり、ムダ取り・改善、JIT・かんばん、標準作業、品質・設備、問題解決まで幅広くカバー。製造業への転職を検討している方や、トヨタ系サプライヤーへの就職を目指す方にとって、面接準備にも役立つ実践的な内容です。
トヨタ用語(トヨタ生産方式)とは何か
トヨタ用語とは、トヨタ自動車が長年にわたって独自に発展させてきた生産哲学「トヨタ生産方式(Toyota Production System:TPS)」に基づく専門用語体系のことです。ここでは、その成り立ちと現代における重要性を確認します。
- トヨタ生産方式(TPS)の成り立ちと背景
- なぜ製造業転職でトヨタ用語を知る必要があるのか
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
トヨタ生産方式(TPS)の成り立ちと背景
トヨタ生産方式(TPS)とは、「ジャスト・イン・タイム(JIT)」と「自働化(にんべんのついた自動化)」を2本柱とする、トヨタ自動車が戦後に体系化した生産管理の哲学です。
1950年代から1970年代にかけて、大野耐一(おおのたいいち)氏と豊田英二氏を中心に開発されました。石油ショック後の低成長時代においても高い生産性を維持したことで世界から注目を集め、1990年代以降は「リーン生産方式(Lean Manufacturing)」として欧米にも普及。現在では製造業のみならず、ヘルスケア・ITサービス・建設業など多様な産業に応用されています。
日本能率協会コンサルティング(JMAC)の調査によれば、国内製造業の約7割がTPSまたはその派生手法を何らかの形で導入しているとされており、その用語・概念は製造業界の共通言語となっています。
TPSの2本柱は「ジャスト・イン・タイム(必要なものを、必要な時に、必要な量だけ)」と「自働化(異常が発生したら機械が自動停止し、人が問題を解決する仕組み)」です。この2つを理解することがトヨタ用語習得の出発点です。
参照:トヨタ自動車株式会社
なぜ製造業転職でトヨタ用語を知る必要があるのか
製造業・メーカーへの転職活動において、トヨタ用語の知識は面接での差別化要因になります。
理由は明確です。トヨタ自動車のサプライヤー(1次・2次・3次)は日本全国に数千社存在し、デンソー・アイシン・豊田自動織機をはじめとするトヨタグループ各社はもちろん、自動車業界以外の製造業でもTPSの考え方を取り入れている企業は多数あります。面接で「カイゼン活動の経験はありますか?」「ムダ取りの視点で改善した事例を教えてください」と聞かれた際に、正確な用語で答えられるかどうかは、採用担当者への印象を大きく左右します。
また、メーカーに転職を目指す方が志望動機や職務経歴書を書く際にも、TPSの用語を適切に使いこなすことで「現場感覚がある人材」として評価されやすくなります。
【思想・行動原理編】トヨタ用語一覧
トヨタ生産方式の根底には、独自の思想・行動原理があります。現場の日常会話から経営判断まで、あらゆる場面で使われる基本用語を押さえることが、他のトヨタ用語を理解する土台になります。
- カイゼン(改善)・カイカク(改革)
- 現地現物・三現主義
- なぜなぜ分析(5 Why)
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
カイゼン(改善)・カイカク(改革)
カイゼンとは、現場の全員参加で日々少しずつ問題を解決し続ける継続的改善活動のことです。
英語圏でも「Kaizen」としてそのまま使われるほど国際的に浸透しており、一般的な「Improvement(改善)」とは区別されます。カイゼンは小さな積み重ねを重視するのに対し、カイカク(改革)は抜本的・革新的な変化を指します。現場では「今日のカイゼン提案は何件出た?」という形で日常的に使われます。
具体的には、作業台の高さを5cm下げることで腰への負担を減らしたり、工具の置き場所を見直して探す時間をゼロにしたりといった小さな取り組みがカイゼンの典型例です。
現地現物・三現主義
現地現物とは、問題が発生した「現地(現場)」に赴き、「現物(実際のモノ)」を自分の目で確認してから判断するという原則です。
三現主義は「現場・現物・現実」の3つを指し、机上の分析や報告書だけで判断することを戒める考え方です。トヨタでは「ゲンバ(Gemba)」という言葉も国際的に使われており、管理職が現場に足を運ぶことを重視する文化の象徴となっています。
面接で「問題が起きたときどう対応しますか?」と聞かれた際に「まず現地現物で確認します」と答えられると、製造業での実務経験・姿勢をアピールできます。
なぜなぜ分析(5 Why)
なぜなぜ分析とは、問題の根本原因を突き止めるために「なぜ?」を最低5回繰り返す問題解決手法です。
表面的な対症療法ではなく、真因(しんいん)にたどり着くことで再発を防ぐことが目的です。例えば「機械が止まった→なぜ?→過負荷がかかった→なぜ?→潤滑油が不足していた→なぜ?→給油サイクルが設定されていなかった→なぜ?→標準作業書に記載がなかった→なぜ?→初期設定時に見落とされた」という流れで真因を特定します。
品質保証・生産技術・設備保全などの職種では、この手法を使いこなせることが実務スキルとして高く評価されます。
【ムダ取り・改善の見立て編】トヨタ用語一覧
トヨタ生産方式の核心は「ムダの徹底排除」にあります。製造現場で日々発生するムダを正確に見立てる能力は、生産技術職・品質保証職・工場管理職を目指す方にとって必須のスキルです。
- 7つのムダ(7大ムダ)とは
- 付加価値・非付加価値・正味作業の違い
- OEE(設備総合効率)と主要指標(Metrics)
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
7つのムダ(7大ムダ)とは
7つのムダとは、トヨタ生産方式が定義する「製造現場で発生するムダの7つのカテゴリ」のことです。
具体的には以下の7種類です。①造りすぎのムダ(最も重大とされる)、②手待ちのムダ、③運搬のムダ、④加工のムダ(加工そのもののムダ)、⑤在庫のムダ、⑥動作のムダ、⑦不良・手直しのムダ、の7つです。英語では「7 Wastes」または「TIMWOOD(Transportation・Inventory・Motion・Waiting・Overproduction・Overprocessing・Defects)」という頭文字で覚えられています。
覚え方のコツとしては「て・に・う・ち・ざ・い・ふ(手待ち・荷(運搬)・打(加工)・造りすぎ・在庫・移動(動作)・不良)」という語呂合わせが現場でよく使われます。
- ①造りすぎのムダ:需要以上に生産してしまう最大のムダ
- ②手待ちのムダ:機械・部品・指示待ちで人が止まっている状態
- ③運搬のムダ:必要以上にモノを動かすこと
- ④加工のムダ:品質に貢献しない余分な加工
- ⑤在庫のムダ:必要以上の原材料・仕掛品・完成品の保有
- ⑥動作のムダ:作業に直接貢献しない体の動き
- ⑦不良・手直しのムダ:不良品の発生と手直しにかかるコスト
付加価値・非付加価値・正味作業の違い
付加価値とは、顧客が対価を払う意味のある作業のことを指し、それ以外はすべて非付加価値(ムダ)として削減対象になります。
製造現場での作業は大きく「正味作業(付加価値作業)」「付随作業(必要だが価値を生まない作業)」「ムダ(即時排除すべき作業)」の3層に分類されます。例えば、素材を削って形を作る加工作業は正味作業ですが、材料を棚から取り出して機械まで運ぶ動作は付随作業、材料を探して歩き回る時間はムダです。
工程分析やライン改善を行う生産技術職では、この分類を用いて作業時間の内訳を可視化し、正味作業比率を高めることが主要な業務となります。
OEE(設備総合効率)と主要指標(Metrics)
OEE(Overall Equipment Effectiveness:設備総合効率)とは、設備の稼働状況を「可動率・性能稼働率・良品率」の3要素で評価する指標です。
OEE=可動率×性能稼働率×良品率で計算され、世界水準のOEEは85%以上とされています(SEMI規格参照)。設備保全・生産技術の現場では、OEEを改善するためにTPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)活動と組み合わせて活用されます。
その他の主要指標(Metrics)としては、タクトタイム(Takt Time:1個生産するのに許容される時間)、サイクルタイム(実際の生産時間)、リードタイム(受注から納品までの総時間)なども頻出用語です。
【流れ・JIT・かんばん編】トヨタ用語一覧
「必要なものを、必要な時に、必要な量だけ」供給するジャスト・イン・タイム(JIT)は、TPSの最も有名な概念です。かんばん方式を中心とした流れ生産の仕組みを理解することは、製造業の業務フローを把握する上で欠かせません。
- ジャスト・イン・タイム(JIT)とかんばん方式
- 平準化・小ロット生産・一個流し
- 号口(ごうぐち)・号試(ごうし)・SOP
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
ジャスト・イン・タイム(JIT)とかんばん方式
ジャスト・イン・タイム(JIT)とは、後工程が必要とするものを、必要なタイミングで、必要な量だけ前工程が供給するプル型生産方式のことです。
これを実現するツールが「かんばん(Kanban)」です。かんばんとは、生産・運搬の指示情報が書かれた帳票(カード)のことで、後工程が部品を引き取った際に前工程へ生産指示として送り返される仕組みです。英語圏でも「Kanban」としてそのまま使われ、IT業界のプロジェクト管理ツール(Trelloなど)の語源にもなっています。
Pull System(プル方式)とも呼ばれるこの考え方は、計画主導で生産するプッシュ方式とは対極にあり、在庫の過剰蓄積を防ぐ効果があります。
平準化・小ロット生産・一個流し
平準化(へいじゅんか)とは、生産量と生産品種を時間軸で均等に分散させ、波のある需要に対して安定した生産を実現する手法です。
平準化を達成するために用いられるのが「小ロット生産」と「一個流し(1個流し)」です。小ロット生産は段取り替え時間(段取り時間)の短縮(SMED:Single Minute Exchange of Die)によって実現されます。一個流しは1個ずつ加工・検査・次工程へ流す方式で、不良の早期発見と在庫削減に効果的です。
これらの概念は、製造業の生産管理・工程設計の面接で頻繁に問われるテーマです。
号口(ごうぐち)・号試(ごうし)・SOP
号口(ごうぐち)とは、トヨタ系の開発・生産プロセスにおいて「量産開始(Start of Production:SOP)」を指す社内用語です。
関連用語として「号試(ごうし)」があります。号試とは、量産開始前の試作・確認段階を指し、「先行量産試作」とも言います。号口(量産開始)に至るまでに、量産試作→号試→量産移行という段階を経るのが一般的です。SOP(Start of Production)は国際的な自動車業界での共通用語であり、トヨタ用語の「号口」に相当します。
転職活動で「号口管理の経験がある」「SOP前の品質確認を担当した」と表現できると、自動車業界での実務経験をわかりやすく伝えられます。
号口(ごうぐち)=量産開始(SOP)、号試(ごうし)=量産前試作段階と覚えましょう。自動車メーカー・サプライヤーの面接では頻出の用語です。
【標準作業・現場運営編】トヨタ用語一覧
製造現場の安定運営を支えるのが標準作業(Standard Work)の考え方です。Shopfloor(現場)で日々使われる用語を理解することで、生産管理・製造オペレーターとしての即戦力性をアピールできます。
- 標準作業・作業標準書・SWS
- アンドン・ポカヨケ・面直(めんちょく)
- 面着(めんちゃく)・アイスブレイク・朝礼用語
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
標準作業・作業標準書・SWS
標準作業とは、品質・コスト・安全の最適バランスを実現するために定めた、現時点での「最善の作業方法」のことです。
標準作業は「作業標準書(SWS:Standardized Work Sheet)」として文書化され、誰が作業しても同じ品質・生産性を実現できるようにします。標準作業の3要素は「タクトタイム・作業順序・標準手持ち(工程内の仕掛品量)」です。
重要なのは「標準作業はカイゼンのベースライン」という考え方です。現状の標準を文書化し、カイゼンによって改善したら新しい標準に更新する、このサイクルがTPSの根幹を支えています。
アンドン・ポカヨケ・面直(めんちょく)
アンドンとは、生産ラインの異常を視覚的に知らせる表示システム(電光掲示板・回転灯など)のことです。
「アンドン(行灯)」は日本語の「行灯」に由来し、ラインの稼働状況(正常・異常・停止)を色や点滅で示します。作業者が問題を発見した際にアンドンコードを引くことでラインを止め、問題解決を優先する文化がTPSの「自働化」思想を体現しています。
ポカヨケ(Poka-yoke)は「ミスを物理的に防ぐ仕組み」のことで、英語では「Mistake Proofing」と訳されます。面直(めんちょく)は「面接の直前準備・最終確認」という意味ではなく、製造現場では「工具・治具の刃面を正しく整える作業」を指します。
面着(めんちゃく)・アイスブレイク・朝礼用語
面着(めんちゃく)とは、トヨタ系企業で使われる「対面での打ち合わせ・直接会って話すこと」を意味する社内用語です。
リモートワークが普及した現代でも、トヨタ系企業では「面着でやろう」「面着で確認する」という表現が頻繁に使われます。重要な意思決定や合意形成は対面(面着)で行うことを重視する文化の表れです。
また、朝礼・ミーティングの冒頭で使われる「アイスブレイク集」もトヨタ系企業の現場文化の一部です。チームの心理的安全性を高めるための短い雑談・体操・クイズなどが「アイスブレイク」として定着しており、現場のコミュニケーション活性化に活用されています。
【品質づくり込み・設備編】トヨタ用語一覧
品質はラインの最後で検査するのではなく、製造プロセスに「づくり込む」というのがTPSの品質思想です。設備管理・品質保証の現場で使われる用語を体系的に理解しましょう。
- 自働化(にんべんのついた自動化)とジドウカ
- TPM・設備保全・▽R(デルタR)の意味
- 品質保証の用語:QC・QCD・FMEA
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
自働化(にんべんのついた自動化)とジドウカ
自働化(じどうか)とは、機械が異常を自ら検知して自動停止し、人間が問題解決に集中できるようにする仕組みのことです。
通常の「自動化(Automation)」との違いは「人(にんべん)がついた自動化」という表現に表れています。単に機械が動くだけでなく、異常検知・停止・問題解決のサイクルを含む概念です。英語では「Jidoka」または「Autonomation」と訳されます。
具体例としては、溶接機が設定値外の電流を検知した際に自動停止し、アンドンで作業者に知らせる仕組みが挙げられます。これにより、不良品の流出を工程内で食い止めることができます。
TPM・設備保全・▽R(デルタR)の意味
TPM(Total Productive Maintenance:全員参加の生産保全)とは、設備の効率を最大化するために全員が保全活動に参加する管理手法です。
TPMでは「故障ゼロ・不良ゼロ・災害ゼロ」を目標とし、オペレーターが自主保全(日常点検・清掃・給油)を担う文化を作ります。設備保全には「事後保全(BM)・予防保全(PM)・予知保全(CBM)」の3種類があります。
トヨタ用語の「▽R(デルタR・さんかくR)」は、設計変更・仕様変更の区分を表す記号です。▽(デルタ)は変化・変更を意味し、Rは「Revision(改訂)」の略です。設計変更の影響範囲を管理する際に使われます。同様に「○カ(まるか)」「○マ(まるま)」「○新(まるしん)」などの記号も開発・変更管理で使われます(詳細は後述)。
品質保証の用語:QC・QCD・FMEA
QCD(Quality・Cost・Delivery)とは、製造業において品質・コスト・納期の3要素を同時に最適化する経営指標の枠組みです。
QC(Quality Control:品質管理)は製造現場での品質維持活動全般を指し、QCサークル活動(小集団改善活動)はトヨタ系企業で広く行われています。FMEA(Failure Mode and Effects Analysis:故障モード影響解析)は、設計・工程の潜在的な故障モードを事前に洗い出し、リスクを評価する手法で、自動車業界では開発段階から必須のツールです。
品質保証職を目指す方は、これらの用語に加えてQC検定(品質管理検定)の取得も検討しましょう。
【開発・変更区分・問題解決編】トヨタ用語一覧
トヨタ系企業の開発部門・技術部門では、設計変更の区分を示す独自の記号体系が使われます。また、問題解決・企画立案・合意形成においても独特の用語が存在します。転職後の実務でつまずかないよう、しっかり押さえておきましょう。
- ○カ・○マ・○新・○モの意味と使い分け
- A3レポート・CV(コンカレント・バリデーション)・根回し
- トヨタ用語の英語対応表(グローバル展開向け)
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
○カ・○マ・○新・○モの意味と使い分け
トヨタ系の開発・設計変更管理で使われる「○カ・○マ・○新・○モ」は、設計変更の種類と影響範囲を示す区分記号です。
具体的には以下の通りです。「○カ(まるか)」はカーキャリーオーバーの略で、前モデルからの継続採用部品を示します。「○マ(まるま)」はマイナーチェンジを意味し、既存設計への小幅な変更を指します。「○新(まるしん)」は新規開発部品・新設計を示します。「○モ(まるも)」はモデルチェンジの略で、フルモデルチェンジに伴う変更を指します。
これらの区分は、設計変更が品質・コスト・日程に与える影響を事前に評価するために使われます。「○K(まるK)」という表記も同義で使われることがあります(KはKarryoverの頭文字)。
○カ(継続)・○マ(マイナーチェンジ)・○新(新規)・○モ(モデルチェンジ)の4区分は、自動車開発プロジェクトの設計変更管理の基本です。トヨタ系サプライヤーへの転職面接では「設計変更の管理経験」として語れると好印象です。
A3レポート・CV(コンカレント・バリデーション)・根回し
A3レポートとは、問題解決・企画提案の内容をA3用紙1枚に構造化してまとめるトヨタ独自の報告・合意形成ツールです。
A3レポートはトヨタウェイの「見える化」思想を体現しており、「背景・現状・目標・原因分析・対策・効果・フォローアップ」を1枚に収めます。情報を圧縮することで論点が明確になり、意思決定のスピードが上がります。
CV(コンカレント・バリデーション)は、量産開始前に製造プロセスの妥当性を確認する検証活動を指します。トヨタ用語としての「CV」は、開発・生産準備の文脈で使われることが多い用語です。「根回し(ねまわし)」は英語でも「Nemawashi」として使われ、重要な意思決定の前に関係者に個別に相談・合意を取り付けておくプロセスを指します。
トヨタ用語の英語対応表(グローバル展開向け)
グローバルに展開するトヨタ系企業では、日本語のトヨタ用語と英語表現の両方を理解することが求められます。
主要なトヨタ用語の英語対応は以下の通りです。カイゼン=Kaizen(Continuous Improvement)、ムダ=Waste(Muda)、かんばん=Kanban(Pull Signal)、自働化=Jidoka(Autonomation)、現地現物=Genchi Genbutsu(Go and See)、平準化=Heijunka(Leveling)、ポカヨケ=Poka-yoke(Mistake Proofing)です。
英語での業務経験をアピールしたい方や、外資系メーカー・グローバルサプライヤーへの転職を目指す方は、これらの英語表現も合わせて習得しておくと、面接での差別化になります。製造業転職エージェントに相談すれば、グローバル求人に強いエージェントを紹介してもらえます。
トヨタ用語を活かした製造業転職の進め方
トヨタ用語の知識は、製造業転職の現場でどのように活かせるのでしょうか。用語を「知っている」だけでなく「使いこなせる」レベルに引き上げることで、書類選考・面接・入社後の活躍まで大きな差が生まれます。
- 志望動機・職務経歴書へのトヨタ用語の活用法
- 製造業特化型転職エージェントを活用すべき理由
それでは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
志望動機・職務経歴書へのトヨタ用語の活用法
職務経歴書にトヨタ用語を正確に使うことで、採用担当者に「現場経験がある即戦力」という印象を与えられます。
例えば「生産ラインのカイゼン活動でタクトタイムを15%短縮した」「なぜなぜ分析を活用して不良率を0.3%から0.05%に改善した」「かんばん方式の見直しにより在庫削減に貢献した」といった表現は、数字と用語を組み合わせることで説得力が増します。
一方、用語を誤って使ったり、意味を理解せずに羅列したりすると逆効果です。この記事で紹介した用語の定義をしっかり理解した上で、自身の経験に紐づけて使うことが重要です。
トヨタ用語を職務経歴書に使う際は、必ず自分が実際に経験した業務に基づいた表現にしてください。面接で「具体的にどういう状況でしたか?」と深掘りされた際に答えられない用語は使わないことが鉄則です。
製造業特化型転職エージェントを活用すべき理由
製造業・メーカーへの転職では、業界特化型の転職エージェントを活用することで、一般型エージェントでは得られない非公開求人へのアクセスや、専門的なキャリアアドバイスを受けられます。
一般型の大手転職サービスは求人数が多い反面、製造業の技術職に精通したアドバイザーが少なく、スキルの正確な評価が難しいケースがあります。一方、製造業特化型エージェントは「機械設計・生産技術・品質保証・設備保全」といった職種ごとの市場価値を正確に把握しており、適切な求人を紹介してもらいやすい特徴があります。
また、おすすめ 期間工として短期高収入を狙いながらトヨタ系の現場を経験し、その後に正社員転職へステップアップするキャリアパスも選択肢の一つです。
まとめ:トヨタ用語の理解が製造業キャリアを加速させる
この記事では、トヨタ生産方式(TPS)に基づくトヨタ用語を「思想・行動原理」「ムダ取り・改善」「JIT・かんばん」「標準作業・現場運営」「品質・設備」「開発・変更区分・問題解決」の6カテゴリに分けて体系的に解説しました。
カイゼン・ムダ・かんばん・自働化・現地現物・なぜなぜ分析・号口・面着・○カ・○マ・○新・○モ……これらの用語は、トヨタ系企業はもちろん、日本の製造業全体で広く使われています。用語の意味を正確に理解し、自身の経験と結びつけて語れるようになることが、製造業転職の成功につながります。
次のステップとして、製造業特化型の転職エージェントに相談し、あなたのスキルを正当に評価してくれる企業を探してみましょう。タイズやメイテックネクストは、機械・電気・化学などの技術職に精通した専門エージェントです。ぜひ下記から登録してみてください。
よくある質問
トヨタ用語に関してよく寄せられる質問をまとめました。転職活動や業務での疑問解消にお役立てください。
トヨタ用語で「まるか(○カ)」とは何ですか?
「○カ(まるか)」は、トヨタ系の開発・設計変更管理で使われる区分記号で、「カーキャリーオーバー(Carryover)」の略です。前モデルや既存製品から変更なしに継続採用する部品・設計を示します。「○K(まるK)」と表記されることもあります。コスト・品質リスクを抑えるために積極的に活用される区分です。
トヨタの7つのムダの覚え方は?
7つのムダは「て・に・う・ち・ざ・い・ふ」という語呂合わせで覚えられます。「て(手待ち)・に(荷=運搬)・う(うち=加工)・ち(造りすぎ)・ざ(在庫)・い(移動=動作)・ふ(不良)」の7種類です。英語ではTIMWOOD(Transportation・Inventory・Motion・Waiting・Overproduction・Overprocessing・Defects)という頭文字で覚える方法も一般的です。
トヨタ用語の「○a(まるa)」とは何ですか?
「○a」は文脈によって異なりますが、トヨタ系の設計変更・開発管理において使われる場合、変更区分の細分類を示す記号として使われることがあります。「○カ・○マ・○新・○モ」の大分類に対し、さらに細かい変更レベルを示すサブ区分として「a・b・c」などのアルファベットが付加されるケースがあります。所属企業・部門の定義書で確認することを推奨します。
トヨタの「○マ(まるま)」とは何ですか?
「○マ(まるま)」はトヨタ系の設計変更区分で「マイナーチェンジ」を意味します。既存モデル・既存設計に対して小幅な仕様変更・改良を加える際に使われる区分です。フルモデルチェンジを示す「○モ(まるも)」よりも変更範囲が小さく、コスト・日程への影響も限定的なケースが多いため、量産中のモデルに対する改善変更で頻繁に使われます。
トヨタ用語「面着(めんちゃく)」とは何ですか?
面着(めんちゃく)とは、トヨタ系企業で使われる「対面での打ち合わせ・直接会って確認・合意すること」を意味する社内用語です。メールや電話ではなく、当事者が直接顔を合わせてコミュニケーションを取ることを指します。リモートワークが普及した現代でも「この件は面着でやろう」という形で使われており、重要な意思決定・合意形成は対面を重視するトヨタ文化を反映した言葉です。
